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2006年1月15日22時27分
時点のものです。

ダイムラー・クライスラー ― 世紀の大合併をなしとげた男たち

ダイムラー・クライスラー ― 世紀の大合併をなしとげた男たち

人気ランキング : 153,214位
定価 : ¥ 2,520
販売元 : 早川書房
発売日 : 2001-04

価格 商品名 納期
ダイムラー・クライスラー ― 世紀の大合併をなしとげた男たち
The Dark Side of M&A

M&Aのコンサルティングという職業柄、非常に興味深く読んだ。この本は、M&Aの暗黒面を克明に描いた上質のノンフィクションである。ダイムラー・ベンツとクライスラーの合併(買収)は、おそらくM&A史上に残る最大の愚行のひとつと言っていいだろう。どこにも勝者がいない(莫大な成功報酬を手にした弁護士と投資銀行を除いて)このように悲劇がどうして起ってしまうのか、それを知る上でM&Aに携わる者にとっては必読の書である。実際には、このディールとそっくり同じようなことが、我が国のM&Aでも行われている。スケールや程度の違いはあるものの、M&Aの過程では、経営トップの自負心や野心の犠牲になって苦しむ大勢の人が現にいることを我々はもっと反省すべきであろう。
著者の意図!とはおそらく異なる私見ではあるが、「株主価値の増大」という昨今の経営風潮はきわめて危険な思想かもしれない。この本の登場人物、シュレンプもイートンもその他大勢の経営陣も、株式市場や株主や監査役会、あるいはマスコミ等という会社外部のステーク・ホルダーに対して自分の企業家としての手腕や卓越を示すことしか考えていない。しかし、企業は事業を実際に動かしていく従業員=人を抜きには一瞬も存続し得ない、いわば「生き物」なのだ。マネー・メイキング・マシーンなどでは決してない。この当たり前の事実があまりにないがしろにされているのは悲しむべきことである。「人」を軽視した経営者がどんなに大きなツケを支払わされるのか、彼らが意図した株主価値の向上など望むべくもないことを、再認識させられた。

いまだ途中の自動車産業の合従連衡劇の一幕

クライスラーとベンツの対等合併が結局はベンツによるクライスラーの併合であったことが今では明かであるが、本書にはその過程が明らかにされている。
アメリカとドイツの文化の違い、乗っ取りをも含む株主の意向、社内での権力闘争、役員の個性など興味深く読ませる。
またダイムラー、いやシュレンプはやはり日産が欲しかった事も明かにされており、その交渉過程もサイドストーリーになっている。


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